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理事長挨拶

  • 日本青年心理学会事務局
  • 4月30日
  • 読了時間: 4分

この度,日本青年心理学会理事長を拝命しましたので一言ご挨拶申し上げます。任期は2025年4月から2028年3月までの3年間となります。


日本青年心理学会は,1993年に設立され30年以上の歴史があります。また,その前身は1963年に発足した青年心理談話会,1968年に改称された青年心理学研究会にまで遡ることができ,長年にわたって日本における青年心理学研究の発展を支える基盤としての役割を果たしてきました。


日本青年心理学会の目的は,『青年期および青年心理学に関連した領域の研究,実践の発展に貢献し,あわせて会員相互の研究・交流を図ること』(会則第3条の一部を抜粋)です。青年期は子どもからおとなへの移行期として位置づけられますが,成人期以降の人生を大きく方向づける重要な意思決定がなされる発達段階です。また,そのための自己探求と自らの選択に対するコミットメントはすべての青年にとっての重要な発達課題となります。そのため青年期について正しく理解することは生涯発達の観点からも重要ですし,社会全体の未来をより良いものにしていくために不可欠であると言えるでしょう。


日本青年心理学会は規模としては決して大きくはありませんが,小さな学会ならではの魅力がたくさんあります。まず年次大会では,伝統的に1時間程度の長い時間を設定した口頭発表のセッションがあり,そこでは丁寧な質疑応答と討論がなされてきました。また,近年では若手会員の発案により,若手研究者の交流を促進するための新たな取り組みが導入されてきています。そして,懇親会には世代を問わず多くの参加者が集まり,会員間の新たな出会いと親交を深める交流の場となっています。


機関誌である「青年心理学研究」には幅広いテーマの論文が掲載されており,方法論的にも定量的な調査研究以外に,理論的研究,事例研究,伝記研究,観察研究,語りや自由記述などの定性的データを用いた研究など多彩です。また,意見欄が設けられており,掲載された論文に対する誌上討論を行っている点もユニークであり,大きな魅力となっています。査読は公正かつ大変丁寧に投稿者の視点を大切にしながら行っています。青年心理学研究に掲載されている論文は電子ジャーナルとして無料で読んでいただけるので,是非,多くの方に読んでいただくと共に,投稿もしていただきたいと考えています。


国際交流に関しては,2015年度より国際交流委員会が設置され,国際交流を促進するための様々な取り組みが行われてきました。これまでは欧米の著名な研究者に講演やワークショップ,機関誌への寄稿などをお願いしてきましたが,これらの取り組みは是非,継続していきたいと考えています。また,個人的な希望としては,欧米以外の諸外国の青年にも積極的に関心を向けていきたいです。特に日本の大学,大学院に所属している外国人留学生は中国,韓国,台湾といった東アジアだけでなく,ネパール,ベトナム,ミャンマー,スリランカ,インドネシア,バングラデシュなどアジアの様々な国から来ています。日本で学んでいる様々な国の留学生との交流機会を増やし,現代を生きる様々な国の青年が直面している状況や課題,比較文化的観点からの青年期発達の本質や,共通性と独自性についての理解を深めていくことを目標にしていきたいです。


広報活動に関しては,年3回発行しているニューズレターにより青年心理学研究関連の情報提供やタイムリーなトピックスを取りあげた特集記事を掲載しています。ニューズレターは学会員の交流の場であると共に,広く社会に向けた情報発信になっています。また,学会ではこれまで,「新・青年心理学ハンドブック」(2014年,福村出版),「君の悩みに答えよう−青年心理学者と考える10代・20代のための生きるヒント」(2017年,福村出版),「心のなかはどうなっているの?−高校生の『なぜ』に答える心理学」(2023年,福村出版)などの書籍を企画,出版してきました。今後も学会企画の書籍の出版により,青年と青年にかかわる様々な人たちに向けて,青年の理解と,青年の成長,発達の支援を促進するための情報発信を行っていきたいと考えています。


最後に今後の学会運営の基本方針ですが,昨期に白井利明前理事長の下で実施された「私たちの学会」改革キャンペーンの基本的理念を今期も継承していきたいと考えております。すべての会員が等しい権利を有し,互いの多様性を尊重しながら,安心し,互いに信頼し合って学会活動を行っていけるような組織づくりを進めていきます。日本青年心理学会は,日本学術会議協力学術研究団体に指定され,日本心理学諸学会連合に加盟している学術団体です。しかし,日本青年心理学会はまだ発達途上にあります。今後もこれまで以上に社会的に信頼され,持続可能な組織になるよう努力して参ります。是非,多くの皆様に参加していただき,共に心地よく,活力が増してくるような居場所となる「私たちの学会」を作っていけるようご協力を賜りたくお願い申し上げます。


                        2025年4月

日本青年心理学会

理事長 平石賢二


 
 
 

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